こんにちは!【つばめモビリティプロジェクト推進室】のお時間です!
毎日「災害級の暑さ」と言われるほど暑い日々が続いておりますが、みなさまお変わりなくお過ごしでしょうか?
二十四節気ではすでに「処暑(しょしょ)」と言って、夏の暑さが和らぎ鈴虫などの鳴き声が聞こえてくる秋の訪れの季節に
突入しているのだそうです。
さて、今月はライドシェアをテーマにお届けしてまいります!
ライドシェアについて考える
お盆休みの間に徳島の阿波踊りに招待されました。
初観覧でしたが、指先まで神経の通った踊り(舞い?)と勢いのある太鼓や発声に良い刺激を受けた次第です。
さて踊りを観覧後、2次会にて招待されたタクシー会社同士で親睦を深めている際に
Zホールディングスの川邉会長(ライドシェア推進派)が挨拶に来られました。
時間はない中でしたが観光地に行く際にインバウンドが困る、タクシーが乗り場にいない、etcを述べられていました。
お酒が入ったいたせいでもないかと思いますが実は川邉さんご自身もなぜライドシェアが必要なのかはふわっとした感覚で捉えているのではないかと思います。
ライドシェアの基本構造
ライドシェアの基本的構造は 利用者との接点を作るプラットフォーマーと働き手=ライダーの個人事業主が雇用契約なしに仕事を請け負う構造です。
働き手=ライダーは労働法や社会保険の適用外となります。
働き手は法や保険の適用外の代わりに、出勤時間や休日の制限をされないことがメリットです。
また、サービスの供給力が足りないときは(需要>供給)料金がダイナミックプライシングより上がることにより一定の働き手が確保できるという構造です。
移動難民問題はライドシェアで解決できるのか
よく言われる移動難民問題ををライドシェアが解決するのか?
①駅前やホテルの乗り場にいない
→ここですが、そもそも駅もホテルも待機車両を貸切しているわけではありません。したがってライドシェアを行っても待機車両は増えません。
街中の需要をライドシェアが行う分、待機をタクシーが行うことは現代の賃金水準から言うと不可能でしょう。
②観光地に行く際にインバウンドが困る
→例えばスキー場に行くのであれば、適切な装備の車両が必要です。ドライバーも誰でも良いというわけには行かないでしょう。
そもそもかつてはバスですら大きな事故を起こして問題になっています。ライドシェアを行ったからただちに解決する問題ではないと思います。
③悪天候時や災害時の移動
→ダイナミックプライシングのより一部のユーザー(いわゆるVIP層)には良い仕組みでしょう。
となると、一般的な民間利用者は?
※ダイナミックプライシング…商品やサービスの原価をもとに価格を決めるわけではなく、時期や状況における消費者の需要を勘案して価格の設定を変えていく仕組み。
つまりライドシェアを導入したからといって解決しない問題を取り上げて進めようとしていることが問題です。
ではなぜライドシェアを推進するのか?次の機会があればぜひ改めて川邉さんに伺いたいところです
(挨拶に来て下さったことは個人的に非常に良い刺激となりました)。
批判意見に負けない”スマートタクシー”を目指す
最近、タクシー事業者は既得権益者でけしからんとヤフコメなどを見るとAIによる多様な意見で批判されることが多いです。
当然事業者はタクシーというサービスを最低限”スマートタクシー”といえるレベルにしなければなりません。
例えば先ほどの①についてはAIやデータを活用し、需要が多い時間帯はそのポイントで一定台数待機を行う。
また同方向の利用者同士であればルールを決め、相乗りを活用する。
③については台風7号のようにそもそも外出が控えられ需要が消失するので社会問題とはもはや言えないと思います(それでもTVを見ると駅前でタクシーは待機していました)。
②についてはUberなどのアプリとタクシー事業者が連携する。
事業者側の最大の問題点は人材確保になるかと思います。
ここについてはタクシーインターンシップ制度を行うと良いかと思います。ぜひ導入したい。
笑い話ではありませんが、最近ペーパードライバーで2種免許を取得した社員よりも、免許取得して1年程度と期間は短いですが
特例教習を受講して2種を取得した社員の方が運転操作が良かったという事例がありました。
リスキリングとして運転スキルを身につけるというやり方ですね。さらに運転リスクをスコアリングして事故発生率を減少させることもできます。
また、現代のタクシードライバーはホスピタリティドライバーです。社会的な差別をなくし、
誰でも自由に移動できるために”合理的な配慮”に基づいた車椅子などのホスピタリティ対応を社員全てが身につける必要があります。
(これができない方はタクシードライバーにはなれません)
ライドシェア推進派ではない理由
話は戻りますが、私がライドシェアに反対する最大の理由は安全性ではありません。
飛行機のパイロットであれば安全性が大きな理由になると思いますが、大量人員輸送ではありませんので
ライドシェアにしたところで大きな交通災害は起きないでしょう。
反対する最大の理由は旅客の輸送がダブルスタンダードになることによる非効率化とそこで働く担い手のスキルが低くなることです。
キャリアと待遇ももちろん向上しません。結果、ライダーとタクシードライバーの共倒れです。
ちなみに一般利用者の方は結構誤解していますが、ライドシェアを行っても都市エリア以外はカバーされません。
初期はライドシェアで上陸を狙ったUber・DIDIは、供給不足のエリアではサービスをオープンしないからです(そういう意味ではGOも同様)。
ここはニアミーさんとLINE配車でカバーすることを考えています。
自由に移動するためには…
じゃあ誰でも自由に移動するためにはどうするべきか!答えは簡単です。
プラットフォーマーとタクシー事業者が連携を超えた合弁企業をつくれば良いと思います。
連携レベルだと実際に打ち合わせるとタクシー事業者、プラットフォーマー側も制約が多すぎます。
またアイシンさんのように事業者×プラットフォーマー×自治体も良いパートナーシップの形ではないかと思います。
日本交通さんはそのためにある意味自らがプラットフォーマーになっているのではないかと思います。
皆さんもライドシェアがなぜ必要ではないかと言われているのか、どこに問題があるのか、タクシーサービスの担い手としてはどうするべきか
ぜひ一度考えてみてください。
ご意見・提案、お待ちしています!
最後に「職場とは何か?」について新卒者から最近良い返答をもらいました。
答えの一つにお互い高め合う仲間となる”場”ではないでしょうか・・・との答えがあり、非常に共感しました。
職場が世界に繋がるようにより多くの提案をこれを読んでくださった皆さんからもぜひお寄せください!
つばめモビリティプロジェクト推進室ご意見投稿フォームhttps://forms.gle/hwSnRbQsBVZbCBqh6からご意見・ご提案を
送っていただくことができます!
今回のつばめモビリティプロジェクト推進室はここまで☆
来月またお会いしましょう!